株主優待クロス取引とは(2021年4月改訂)

つなぎ売り 優待クロス
スポンサーリンク

株主優待クロス取引についてまとめていきたいと思っています。

 

株主優待クロス取引とは

株主優待クロス取引は、株主優待タダ取りやつなぎ売りとも呼ばれています。

証券会社によっては、クロス取引を禁止しているところもあって、クロス取引という言葉は使いづらいようです。

また、貸株料などの費用が発生しますので、タダ取りという表現もおかしいと判断されるのか、つなぎ売りと表現されているように思います。

実際には、クロス取引を行うことが多いですので、本稿では、株主優待クロス取引と呼ばせていただこうと思います。

※2021年4月、現在、auカブコム証券と松井証券で、「優待クロス」の言葉が使われるようになっています。優待クロスという言葉が市民権を得たようで、うれしい限りです。

株主優待クロス取引は、株主優待取得を目的として、「現物買い」と同株数の「信用新規売り」を行う取引になります。

低リスクなため、IPO株投資と並んで、初心者向けとされていますが、信用取引をしますので、本当の初心者では難しいかもしれません。

少なくとも信用取引口座を開設できないとできない取引になります。

信用取引口座を開かないといけない分、IPO株投資に比べて敷居の高い投資方法になります。

のハズですが、どうも最近は、信用取引口座を簡単に開けるようです。

初心者向けの投資手法ですが、信用取引を使いますので、よく理解されてから取引されてください。

現物取引の場合、最悪、元手が全部なくなりますが、信用取引の場合、元手以上に損失が膨らむことがあります。

(注:現物取引オンリーでも、特定口座源泉徴収ありにしてなければ、元手以上に損失が出る可能性はあります。)

証券会社に借金をすることになり、この借金は自己破産でチャラになりませんので、ご注意ください。

繰り返しになりますが、信用取引を使いますので、よく理解されてから取引されてください。

さて、本題に戻ります。

現物保有の場合、権利付き最終日に保有していれば、

「株主優待」

「配当」

「議決権」

が、設定されていれば、もらえます。

これが、信用取引の場合、

「配当調整金」

のみとなります。

信用取引の場合、「買い」と「売り」のポジションを持てますが、マイナスの「議決権」というのは、無理ですので、「議決権」はなしです。

「株主優待」は、

優待とは?

で書きましたように、保有株式数によって優待内容が変わります。

ですので、これを金額換算するのは、難しいですし、それ以前に信用取引では保有していることにはなりませんので、「株主優待」もなしです。

優待クロス取引の場合、「現物買い」と同株数の「信用新規売り」を行う取引になりますので、

現物保有分で、

「株主優待」

「配当」

「議決権」

が、もらえ、

信用売り分で、

「配当調整金」

が、とられます。

差し引きして、結果

「株主優待」

「配当」-「配当調整金」

「議決権」

がもらえることになります。

「配当」は「配当調整金」でほぼチャラになりますが、

「株主優待」と「議決権」はもらえます。

また、権利落ちの株価下落は「現物買い」と「信用新規売り」の両方のポジションを持っていますので±0になります。

結果、権利落ちのリスクなく、優待(と議決権)だけをもらえることになります。

ノーリスクで優待だけをもらえる、これが株主優待タダ取りとも呼ばれる所以ですが、実際には、「売買手数料」や「貸株料」など(※建玉を保有した期間によっては、事務管理費がかかる場合があります。また、制度信用売りの場合、逆日歩がかかる場合があります。)がかかりますので、タダでは取れません。

次回は、取得にかかる費用についてです。

コメント

  1. ふぁむ より:

    はじめまして。

    いつも勉強させていただいております。
    たいへんわかりやすく時には楽しませていただいております。

    初歩的な質問で申し訳ありませんが教えていただきたいことがあります。

    クロス取引で現物を持っていたら優待をもらえるみたいですが配当と議決権ももらえないのですか?
    信用で売るのは株価下落対策ということはわかるのですが。

    よろしければご教授お願いします。

    • しゅう より:

      ふぁむさん、はじめまして、こんにちは^^。

      すいません、うまく伝わらなかったでしょうか?

      現物の買いで、

      「株主優待」

      「配当」

      「議決権」

      がもらえ、

      信用の売りで、

      「配当調整金」

      が取られますので、結果、

      「株主優待」

      「配当」-「配当調整金」

      「議決権」

      となります。

      「配当」はほぼチャラで、「優待」と「議決権」がもらえます。

      • ふぁむ より:

        ありがとうございました。

        配当調整金って案外取られてしまうのですね。

        議決権については優待ただ取り特集雑誌などでも書いてなくて(そこまで書かなくてもわかるよねということですね)今回しゅうさんが教えてくださり初めてすっとしました。

        • しゅう より:

          ふぁむさん、こんばんは^^。

          配当は、ほぼ配当調整金で無くなると思ってください。(ほぼですけど^^;)
          議決権は、優待ただ取り特集雑誌とかでは、関係ないので書かれてないのではないかと。
          たしかに書かれているのは見かけないですね。